筋トレを毎日するのは逆効果?適切な頻度やトレーニング方法を解説!

筋トレ

健康維持のためや理想の身体になるために筋トレをする方は多いでしょう。しかし、毎日筋トレをしているのに効果を感じられない方もいるのではないでしょうか。筋トレには一般的に適切だといわれている頻度があります。

この記事では毎日の筋トレにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、また、筋トレの適切な頻度と注意点について解説します。筋トレ初心者の方だけでなく経験者の方も、改めてトレーニングのメニューをより良いものにするきっかけにしていただけたら幸いです。

筋トレを毎日すると逆効果になることがある

結論、毎日の筋トレはかえって逆効果になることがあります。それは筋線維の損傷が十分に回復されないためです。筋トレにより損傷した筋肉は、2~3日かけて修復・再生されます。その時に新たな筋線維を作ったり、すでにある筋線維を太くしたりします。この過程を筋肉の超回復といいます。

つまり、筋肉の維持・増量には再生と、そのための休息時間や栄養補給が必要だということです。毎日の筋トレは再生が十分に行われる前に新たな損傷を与え、再生を間に合わなくさせる可能性があります。

ただ、筋線維が損傷している時に筋トレをしても新たな損傷は起こらない・筋肉の修復に影響はないとする研究もあります。しかし基本的に、毎日の筋トレには慢性的な疲労につながるといったデメリットもあるため、一般の方にはおすすめしません。

(出典:厚生労働省【筋力・筋持久力 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】)

異なる部位のトレーニングは毎日行っても良い?

筋肉の損傷と回復は、2~3日のサイクルで行われます。筋トレを毎日行うのはこの超回復のサイクルが生まれないためだと解説しましたが、異なる部位であればそれぞれのサイクルを壊すことなく、毎日トレーニングを行うことができるでしょう。ただ、慣れていない方にとってそのスケジューリングは難しいかもしれません。また、鍛える部位とは関係なく身体全体の疲労感などのデメリットもあります。

筋トレの適切な頻度は週2,3回だといわれている

笑顔でランニングしている女性

一般的に、筋トレの適切な頻度は週に2,3回だといわれています。損傷した筋肉の回復は24〜72時間かけて行われるため、同じ部位の筋トレはだいたいその程度の時間を空けましょう。厚生労働省の「成人を対象にした運動プログラム」にも、筋力トレーニングの頻度は週に2,3回が適切であると示されています。

ただ、強度が低い筋トレであれば、毎日行うことが効果を高めるということを示している研究もあります。そのため、筋トレの目的やご自身の実感から自分に合った最適な運動頻度を探すのが良いかもしれません。

また、世界保健機構(WHO)が2018年6月に発表した「身体活動に関する世界行動計画2018-2030」では、「いかなる形であれ、身体活動を定期的に、十分な時間と強度で行えば、健康上のベネフィットがもたらされる」とされています。さらに18歳以上の成人には「150 分/週の中程度の強度の身体活動(またはそれと同等の身体活動)」、18歳未満の青少年には「毎日60分の中程度から高強度の身体活動」が推奨されています。ここでの「身体運動」は、仕事やレクリエーションなどあらゆる状況下での運動を想定しており、筋トレに限ってはいません。

定期的な運動は本人の健康に利益があり、様々な機関が週に一定時間以上の運動を行うことを推奨しています。筋トレの場合、筋肉の回復のサイクルから、週に2,3回が適切だといわれています。筋トレ初心者の方はこれらを参考に1週間の運動スケジュールを組み立ててみてはいかがでしょうか。

※身体活動とは「エネルギー消費を必要とする骨格筋によるあらゆる身体の動き」のこと。(WHO|身体活動に関する世界行動計画2018-2030)

(出典:慶応義塾大学|スポーツ医学研究センター

筋トレを毎日することのデメリット

うつ伏せの外国人女性

ここまで筋トレの適切な頻度について解説しました。毎日の筋トレは、筋肉の維持や増量を目指す上で、かえって逆効果になるかもしれません。ここではより具体的に、筋トレを毎日することのデメリットについて解説します。

筋肉痛や怪我のリスクが高まる

まずデメリットとして考えられるのが、筋肉痛や怪我のリスクです。毎日のハードな筋トレは慢性的な筋肉痛を引き起こす可能性があります。

筋肉痛は損傷した筋線維を直す際の炎症作用によって引き起こされるといわれています(諸説あり)。筋肉痛があると関節の可動域が狭くなったり、正しいフォームでのトレーニングが難しくなったりすることで、怪我のリスクが高まります。

そもそも疲労状態での強すぎる負荷は筋肉痛だけでなく、物理的な損傷・怪我につながる可能性があります。毎日の筋トレでは特にこれらに注意が必要です。

オーバートレーニングのリスクが高まる

毎日の筋トレによる疲労が抜けきらず、慢性的な疲労状態(オーバートレーニング)に陥る可能性があります。身体が常に疲労状態にあると、筋トレ効果の減少はもちろん、免疫力の低下などが起こる可能性があります。一般の方の場合、毎日の筋トレによる疲労状態の継続は日常生活に支障をきたす可能性があるでしょう。

疲労の蓄積によるパフォーマンスの低下

毎日の筋トレは筋肉痛や疲労状態の継続をもたらす可能性があると解説しました。これらは筋トレの効果そのものに影響します。筋肉痛は関節の可動域の減少や負荷の減少につながり、疲労状態は集中力の低下などにつながります。これらの状態で行うトレーニングは通常時に行うトレーニングより効果が低くなりがちです。

筋トレを毎日するメリット

トレーナーに補助されながらスクワットをする女性

筋トレを毎日行うことのデメリットについて解説しました。しかし人によっては毎日の筋トレに、目標達成に近づく上でのメリットがあるかもしれません。毎日の筋トレには具体的に以下のようなメリットがあります。

ダイエット効果は高い

毎日筋トレを行うと、日々の消費エネルギーが増えます。さらに、成長ホルモンやテストステロンの量も増えるであろうことから、基礎代謝が上がるかもしれません。基礎代謝とは、睡眠中や何もしていない状態で消費するエネルギー量のことです。基礎代謝は1日の総エネルギー消費量の約60%を占めており、ダイエットをする上で影響が大きい要素です。トレーニングの目的がダイエットであれば、有酸素運動と組み合わせ、軽い筋トレを毎日行うのも良いかもしれません。

(出典:厚生労働省【筋力・筋持久力 | e-ヘルスネット(厚生労働省)】)

運動の習慣化につながる

筋トレを毎日行うことは運動の習慣化につながります。普段、運動習慣が無い方にとって運動を習慣づけることは簡単ではありません。はじめのうちは毎日自宅で運動したり、ジムに行ったりすることは難しいかもしれません。しかし少しでも継続できれば運動に慣れ、健康的な生活習慣を手に入れることができるでしょう。

高頻度で筋トレをする際のポイント

膝をセルフマッサージする女性

筋トレを行う際は、安全性や効果を高めるために注意するべきポイントがあります。毎日ではなくても、高頻度でトレーニングを行う方は特に、以下のポイントについて注意しましょう。

ストレッチやアフターケアを行う

筋トレ後はストレッチやアフターケアを行いましょう。ストレッチは大きく動かずに筋肉を伸ばす静的ストレッチがおすすめです。血行を向上させ、疲労物質の排出を促す効果が期待できます。また柔軟性を高め、怪我の予防や関節の可動域の維持・向上につながるでしょう。

もし筋肉痛がある場合はセルフマッサージや、患部を温めるのがおすすめです。ただ、もし強い痛みが続き晴れなどがある場合はアイシング等を行い、病院で治療を受けましょう。

適切な負荷をかける

筋トレの効果を最大化しつつ、怪我を予防するためには適切な負荷をかけることが重要です。負荷はトレーニングの強度、回数、休憩時間などにより決まります。高い頻度で筋トレを行う方は、筋トレの効果が期待できる負荷は与えつつも、怪我に注意し、強すぎる負荷はかけないようにしましょう。

ご自身のトレーニングの目的と照らし合わせ、日常生活にししょうが出ない範囲なのか、効率的に筋肉量の増量を目指す量なのか、それぞれにとっての最適な負荷を探しましょう。

筋トレの効果を高める方法

最後に、筋トレの効果を高めるために大切なポイントについて解説します。以下のポイントを確認し最適な筋トレ方法を模索してみてはいかがでしょうか。

筋トレの効果が高まる時間帯とは?

黄色い時計とハテナ

筋トレの効果が高まる時間帯は解明されていません。しかし、人間の心肺機能・身体機能は夕方頃にピークを迎え、そこから徐々に低下していくという研究があります。筋線維の損傷や、回復の効率には関係ないかもしれませんが、高いパフォーマンスを出すという意味では、夕方頃にトレーニングをおこなうのが良いかもしれません。

反対に、起床後すぐ、就寝前のトレーニングはおすすめしません。起床後すぐはまだ頭が起きておらず、トレーニングに集中できないと良い効果を得ることができません。また、怪我のリスクも高まります。就寝前のトレーニングは交感神経の働きを高めてしまい、就寝時にリラックスできなくなるといったことにつながる可能性があります。良い睡眠も筋肉や健康のために欠かせない要素です。そのため、これらのタイミングでの筋トレはできるだけ避けましょう。

効果的な筋トレメニューの立て方

できるだけ短期間で筋トレの効果を出すためには、筋肉の超回復のサイクルを意識しなければなりません。損傷した筋線維は24~72時間かけて修復・再生され、その後適切な負荷をかけたトレーニングを行えばさらに太く強くなります。この超回復の過程は部位ごとに起こるため、日によってトレーニングする部位をずらし、損傷・再生のサイクルを効率よく生めるようにスケジューリングすることが大切です。筋トレメニューは同じ日であればできるだけ同じ部位、関連部位を鍛えるメニューにしましょう。

まとめ

プロテインを飲む女性

この記事では筋トレを毎日行うことはおすすめできないとした上で、毎日のトレーニングにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、トレーニングをする頻度は人それぞれであり、負荷をかけすぎないことが大切であることについて解説しました。

一般的に、筋トレの頻度は週2,3回が推奨されます。また、定期的な運動は個人の健康を促進し、全ての人にメリットがあります。運動習慣が無い方にとっては難しいかもしれませんが、筋トレの目的を明確にし、まずはできる範囲でトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。

他の記事ではトレーニングのスケジューリングや、自宅でできるおすすめのトレーニングなどについても紹介しているので、そちらの記事をご参考にしていただけましたら幸いです。

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