筋トレのタイミングは生活習慣や可処分時間の配置などによって人それぞれです。普段、仕事や学校、家事などで時間が取れず、筋トレが夜遅くなってしまうこともあるのではないでしょうか。この記事では、そんな寝る前の筋トレについて解説します。寝る前の筋トレにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。また、最適な筋トレのタイミングはいつなのでしょうか。
記事の最後では運動の習慣がない方向けに、寝る前に自宅でできる簡単な筋トレを紹介しているので、最後までご覧いただけたら幸いです。
寝る前に筋トレをするメリット
結論から申し上げて、寝る前の筋トレはしても大丈夫だといわれています。むしろ寝る前に筋トレをすることにはいくつかのメリットがあります。
成長ホルモンの分泌が多くなる
成長ホルモンは眠っている間に分泌され、肌や髪、内臓など身体のあらゆる部分の修復を促します。筋肉の成長にも関係する成長ホルモンは就寝後1〜3時間で分泌されますが、寝る前に筋トレを行うと血糖値が低下するため、成長ホルモンの分泌量が増えます。
また、寝る前の軽い筋トレであればほどよい疲労感を得ることができ、睡眠の質を高めることができるでしょう。ほどよい疲労により深い睡眠である「ノンレム睡眠」の時間が長くなると、成長ホルモンの分泌が増えるといわれています。
ただ、デメリットでも紹介しますが、寝る直前や激しい筋トレは睡眠の質を下げ、逆効果になりかねません。寝る前でも就寝の直前は避け、少し汗ばむ程度のトレーニングを行うのがおすすめです。
修復の効率が良い
筋肉は筋トレにより損傷した後、休息することにより修復されます。損傷と修復を繰り返すことで新たな筋線維を作ったり、太くしたりすることができます。このサイクルを超回復といいますが、超回復で重要なのが十分な休息です。
筋トレをした後に仕事や他の作業があると、筋肉を十分に休めることができないかもしれません。寝る前に筋トレをすると、筋トレ後すぐに休息を取ることができるので、効率よく修復を促すことができるでしょう。
筋トレを習慣化しやすい
寝る前は行動がパターン化している方が多いのではないでしょうか。そこに筋トレを組み込めば簡単に運動の習慣を作ることができます。例えば、夕食➡筋トレ➡入浴➡就寝準備のように日々の生活パターンの中に筋トレを組み込むことができます。
また、普段忙しく筋トレのためにまとまった時間を確保するのが難しい方でも、夜であれば時間を確保しやすいのではないでしょうか。
寝る前に筋トレをするデメリット
ここまで寝る前に筋トレをするメリットをいくつか紹介しました。しかし寝る前の筋トレにはデメリットもあり、場合によっては逆効果になることもあります。下記のデメリットを把握し、できるだけ筋トレの効率を下げないように注意しましょう。
寝つきが悪くなる
寝る前に激しい筋トレをすると交感神経が活発になり、寝つきが悪くなります。ノンレム睡眠の時間が短くなると、成長ホルモンの分泌量が減り筋肉の修復の効率が下がります。
寝る前はハードな筋トレは避け、できるだけ就寝の3時間前までに終わらせるようにしましょう。
また、筋トレをした後に入浴するのもおすすめです。入浴は就寝の90分前までが良いといわれています。筋トレをした後、入浴により副交感神経を活発にすれば寝つきがよくなるでしょう。入浴中にセルフマッサージをするのもおすすめです。
栄養補給のタイミングが活かせない
筋トレ後は、損傷した筋肉を修復するための栄養補給が欠かせません。寝る前のタイミングは次の朝食までの時間に食事をしないので、その間の修復効率を上げるための栄養補給ができません。また栄養補給をするとしても寝る前の食事は血糖値を高め、成長ホルモンの分泌を減らしてしまいます。そのため、もし寝る前に栄養補給をする場合は、鶏のささみやむね肉など、たんぱく質が多く含まれる食品を摂りましょう。牛肉や豚肉もたんぱく質が豊富ですが、脂質が多いので注意が必要です。
筋トレはいつ行うのが良いのか
筋トレの効果が最大化する時間帯は明確にはわかっていません。ただ、避けるべきだと言われている時間帯はあります。
寝る直前の筋トレのデメリットは説明しましたが、実は朝起きてすぐも避けるべきだといわれています。起きてすぐは身体と頭が完全には起きておらず、身体への負荷が大きくなってしまう可能性があります。集中力が低く、正しいフォームで適度な負荷の筋トレを行うことが難しいです。そのため、身体機能と脳機能が完全に起動してから筋トレを行うのがおすすめです。一般的に人間の身体機能が最高になるのは夕方頃だといわれています。そこから徐々に機能が低下し就寝の時間になるため、時間が確保できる方は夕方に筋トレを行い、その後は休息の時間とするのがおすすめです。
寝る前のおすすめ筋トレメニュー
最後に、寝る前に自宅でできる簡単な筋トレのメニューを紹介します。運動習慣をつけたい初心者の方や、仕事や学校で中々筋トレの時間を作れない方は下記のような簡単な筋トレから始めてみましょう。
プランク
一般的に体幹トレーニングと呼ばれる筋トレです。インナーマッスルを鍛えるフロントプランクや、脇腹の腹斜筋を鍛えるサイドプランクなどがあります。
フロントプランクは、うつ伏せの状態で肘が肩の下に来るようにして、肘から手を地面につけ両手・両脚先の4点で身体を浮かせます。身体を真っすぐにし、「く」の字にならないように注意しましょう。初めは30秒姿勢をキープすることを目標にして、慣れてきたら1分間キープできるようにしましょう。
サイドプランクは横向きに寝そべり、肘を肩の下に来るようにして足と肘で身体を浮かせます。上の腕は身体につけ、上の足は下の足の前に触れるように置きましょう。脇腹を意識するのがポイントです。これもまずは30秒を目標に始めてみましょう。
プッシュアップ
腕立て伏せの体勢になり、手は肩幅より拳2個分外側に置きます。肘を曲げゆっくりと上体を倒し、胸が地面につくかつかないかくらいの位置まで降ろしたら、地面を押し上体を上げましょう。もし難しい場合は膝を立てて行いましょう。
スクワット
足を肩幅より拳1個分大きく開き、つま先を少し外側に向けます。軽く腰を反り、胸を張ったまま股関節と膝を曲げて腰を降ろしていきます。この時、お尻をしっかり降ろし、膝が前に出すぎないように注意しましょう。太ももが地面と平行になったら、腰を上げ元の体勢に戻ります。これを何回か繰り返しましょう。初めは10回を3セット行うことを目標にしましょう。
まとめ
寝る前の筋トレには成長ホルモンの分泌を促したり、運動の習慣化がしやすかったりといった、筋肉の合成や健康に良いメリットがあります。生活の中に運動の習慣がない方が運動の習慣を作るのは難しいですが、寝る前のルーティンに筋トレを組み込むことで比較的簡単に筋トレを習慣づけることができるかもしれません。
しかし、それとメリットと同等のデメリットもあるので注意が必要です。睡眠の質の低下は筋線維を合成する上で大きなデメリットになります。また、日中の集中力の低下にもつながり、日常生活に支障をきたす可能性もあります。そのため、もし夜筋トレを行う場合は、寝る3時間前には筋トレを終わらせるようにして、トレーニング後は必ず入浴するなどしましょう。
寝る前の筋トレにはこれらのメリット・デメリットがあります。それぞれについてしっかり把握し、ご自身の生活リズムに合った筋トレのタイミングを探してみましょう。
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