筋肉痛がある時に筋トレはしてもいい?超回復と痛みの回復について解説!

筋トレ


筋トレには筋肉痛がつきものです。トレーニングをする人であれば誰でも筋肉痛に悩まされたことがあるのではないでしょうか。また、筋肉痛がある時に筋トレをしていいのか疑問に思っている方もいるでしょう。

この記事では、筋肉痛の予防法や、筋肉痛がある時のトレーニング方法等について解説します。筋肉痛について知り、より効果的な筋トレを行うためにご参考にしていただけたら幸いです。

筋トレで筋肉痛になるメカニズム

足を抑えているランニング中の女性

筋トレにより筋肉痛になるメカニズムには実はいくつかの説があります。昨今はその中でも、筋肉の炎症反応により痛みを生み出す物質が生成されるという説が有力です。

筋肉痛のメカニズム

筋肉痛は修復の過程で生成される物質によって引き起こされているといわれています。筋トレによって負荷がかかり損傷した筋線維は、修復のために炎症作用を引き起こします。その際、刺激物質やその他の痛みを生み出す物質が生成され、それらが神経を刺激して痛みを引き起こしています。筋線維そのものに痛みを感じる神経はなく、損傷そのものが直接痛みを生んでいるわけではないということです。一般的な筋肉痛を、損傷した時点ではなく、損傷後、一定時間が経過してから感じるタイムラグがあるのはこのためです。

筋トレから2・3日後の筋肉痛

私たちは過度なトレーニングや急な運動を行った日の翌日や翌々日に筋肉痛を感じます。このような運動後、一定時間が経過してから感じる筋肉痛は「遅発性筋肉痛」と呼ばれます。一般的に筋肉痛として認識されているのは遅発性筋肉痛です。

筋トレ直後、運動中の筋肉痛

ただ、全ての筋肉痛が遅発性筋肉痛というわけではありません。筋肉の痛みはトレーニング中や直後に感じることがあります。これは「早発性筋肉痛」と呼ばれ、短距離走や重量挙げなど、急激に強い負荷がかかる運動中に多い筋肉痛です。筋肉の過度な緊張が血流不足を起こすことが原因だと考えられています。また、早発性筋肉痛は物理的なダメージや、筋肉の代謝物である水素イオンがたまることで引き起こされるといわれています。

高齢になると筋肉痛が遅くなる?

よく「歳を取ると筋肉痛が来るのが遅くなる」ということが言われていますが、筋肉痛の発症のタイムラグは医学的には肯定も否定もされていないようです。若い時はすぐに痛みを感じた、というのは、一定のバイアスのかかった印象なのかもしれません。ただ、慢性的な運動不足は筋力の衰えにつながります。また年齢を経ることで毛細血管が発達しなくなり、痛み物質の除去にも時間がかかるようになるようです。

(出典:大正製薬

筋肉痛があるうちは筋トレは避けよう

仰向けのヨガ中の女性

筋肉痛があるということは、傷ついた筋線維の修復が終わっていないことを身体が訴えているということです。筋肉痛があると、痛みがない時に比べ柔軟性が低くなります。また、身体を動かしにくいため怪我のリスクも高まります。そのため、筋肉痛があるうちはできるだけトレーニングを避けましょう。損傷した筋線維は、24~72時間かけてゆっくり修復されその後さらに強くなります。このサイクルを「超回復」といい、超回復期間に十分な休息と適切な栄養をとることで効果的に回復することができます。回復している間はハードなトレーニングは避け、適度な運動を行うことで以前より強く太い筋肉を作ることができるでしょう。

筋肉痛があってもトレーニングしたい場合

基本的に筋肉痛がある期間はトレーニングを避けるべきですが、どうしても運動をしたいという方もいるでしょう。筋肉痛があるうちにトレーニングをする場合は、工夫と注意が必要です。

筋肉痛がない部位を鍛える

筋肉痛がない部位を鍛えることで、怪我等のリスクは減らすことができるでしょう。例えば胸部に筋肉痛がある場合は下半身を鍛えるなどです。あらかじめ、日によって鍛える部位を決め、スケジュールに沿ってトレーニングを行いましょう。

できるだけ休息を取ろう

筋肉痛があるうちにトレーニングをしても、新たな筋肉痛は起きず、損傷は拡大しないという研究があります。しかし筋肉痛があると関節の可動域が狭くなり、そもそもトレーニングの効果が見込めません。できるだけ休息をとることをおすすめします。

筋肉痛の緩和方法

足のセルフマッサージ

筋トレによって筋肉を太くするには、一度筋線維を損傷させ、再生しなければなりません。つまり、筋トレと筋肉痛は切って離せない関係にあります。ここでは筋肉痛を和らげる方法を紹介します。

セルフマッサージをする

マッサージを行うと血行が良くなり、痛みの原因となる物質の除去が進むといわれています。しかし、強すぎるマッサージは筋組織を痛めることにつながりかねないので、優しく押すように行いましょう。

痛みがある箇所を温める

筋肉痛がある部位を温めると、血行が良くなり、疲労物質が流れやすくなります。特に入浴は身体全体の新陳代謝が良くなり、リラックス効果もあるためおすすめです。疲労物質が抜け、筋線維の回復に必要な栄養素を取り込めるようになれば効率的に超回復することができます。もし特定の部位のみを温める場合は蒸しタオルやカイロなどを使用し、40~50℃で10~20分ほど温めると効果的です。この時、低温やけどには注意しましょう。

ただ、痛みが強い段階ではまずアイシングを行い、ある程度痛みが引いてきたら温めるようにしましょう。

たんぱく質・ビタミンB1が多く含まれる食材を食べる

肉や大豆、鮭などの食材

筋肉を回復させるには、疲労に効果的な栄養素を摂取するのが大切です。特にたんぱく質とビタミンB1を積極的に摂取しましょう。

たんぱく質は体内でアミノ酸に分解され、筋肉の保持や増量に大きな役割を果たします。たんぱく質が多く含まれる食材には、鳥のささみ、鮭、枝豆、大豆製品等があります。また、たんぱく質の中でも「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」は筋肉の分解を抑制し、筋肉のエネルギー源となる重要な栄養です。BCAAは体内で生成できず、必須アミノ酸とも呼ばれます。まぐろの赤身やかつお、鶏肉、乳製品、卵等に含まれるので積極的に摂取しましょう。

ビタミンB1は、体内のエネルギー産生に深く関わる栄養です。ビタミンB1が不足すると体内でエネルギーを産生する回路ができず、疲労を感じやすくなります。ビタミンB1が多く含まれる食材は、豚肉やうなぎ、ナッツ、ごまなどです。

睡眠をしっかり取る

筋肉痛も肉体疲労の一種だと考えれば、睡眠による回復も筋肉痛を和らげる方法の1つです。しかし、質の良い睡眠を取るのも簡単ではありません。就寝直前の食事や、電子機器を触る等の行為は極力避けましょう。部屋を暗くし、温かい格好で眠ることが重要です。

筋肉痛を予防するには

ストレッチを行う日本人女性

ここまで筋肉痛を和らげる方法について紹介しました。ここからは筋肉痛の予防法について解説します。普段あまり運動しない方や強い負荷での筋トレを行う方は特に、以下の点を意識しましょう。

運動前のウォーミングアップ

ウォーミングアップを行い身体を温めることで筋肉痛や怪我の予防をすることができます。筋トレ前のウォーミングアップは、ウォーキングや軽いランニング、動的ストレッチなどです。関節の可動域を広げる運動もおすすめです。急に激しいトレーニングを行わず、これらの運動をすることを意識しましょう。

運動後のストレッチ

運動後は身体をクールダウンさせましょう。ウォーキングや静的ストレッチがおすすめです。これらを行うことで筋肉と神経の興奮を鎮め、負担を軽減させることができます。また筋肉の柔軟性を取り戻し、疲労物質の排出を促す効果も期待できます。

筋トレ後に筋肉痛がないと効果はない?

最後に、筋肉痛がなくても筋トレの効果はあります。筋肉が負荷に慣れている場合や、筋肉痛になる前に回復した場合は筋肉痛にはなりません。そのため、筋肉痛を感じるまで無理にトレーニングを行う必要はありません。ただ、極端に負荷が少ない場合はトレーニングの効果が薄れてしまっている可能性があるので、回数や重量、休憩時間、フォームについて確認し、適切な負荷をかけられるようにしましょう。

まとめ

この記事では筋肉痛のメカニズムから筋肉痛の緩和方法や予防法、筋トレを行う際の工夫について解説しました。筋トレに筋肉痛はつきものなので、ご自身でうまくコントロールすることが大切です。筋トレ前後のケアや、栄養バランスの良い食事を意識し、筋肉痛を和らげ、効果的な筋トレを行いましょう。

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